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【2023年】おすすめ小説ランキングBEST10!

こんにちは、オッシーです。今日は私が2023年に読んだ中から、おすすめの小説ランキングBEST10をご紹介します。よかったら参考にしてください。

第1位 「汝、星のごとく」凪良ゆう

作品紹介

高校生の時に出会った同級生の暁海と櫂が、恋愛とすれ違い、成功と挫折、それぞれの親と二人に寄り添う人たちとの関係で、自分の人生を生きることを選んでいく物語。第20回本屋大賞受賞作、40万部突破のベストセラーです。

感想

読者をグッと掴むプロローグと、ほぼ同じ文章なのにまったく感じ方が異なるエピローグ。その構成が見事でした。本編は、すれ違う2人それぞれの視点で書かれるので、切ないシーンも読者としてはより一層切なさが深まります。物語と登場人物が秀逸で、最後まで引き込まれ続ける作品です。

 

第2位 「爆弾」呉勝浩

作品紹介

スズキタゴサクと名乗る正体不明の男が仕掛けた連続爆破テロを防ぐため、警察とスズキが取調室で心理戦を繰り広げるタイムリミットサスペンス。『このミステリーがすごい! 2023年版』(宝島社)国内編と、『ミステリが読みたい! 2023年版』(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)国内篇の2つのランキングでダブル1位を獲得。

感想

めちゃくちゃおもしろかったです。登場人物のキャラクターがみんな際立っていて、それぞれのキャラの視点で物語が進み、どのキャラも圧倒的な存在感を持っています。主役が5〜6人いる感じ。取り調べの頭脳戦の応酬が小気味よく、爆発する前に爆弾を見つけることができるのか、息もつかせぬ怒涛の展開です。サブキャラが途中で一気に主役に躍り出るところに私はハマりました。

 

第3位 「月の立つ林で」青山美智子

作品紹介

2023年本屋大賞第5位の作品。長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人など、「ツキない話」というポッドキャストを聞くリスナーたちの短編集。最後に仕掛けられた驚きの事実と読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、心震える傑作小説です。

感想

短編集だけどそぞれが繋がっていて、その中心に『ツキない話』のポッドキャストを配信しているタケトリ・オキナがいます。リスナー達ががその配信に癒されたり背中を押されたり。それぞれが繋がっていることは読者だからわかること。そこが私は好きです。読み終えてほっこりと心地よい気持ちになります。

 

 

第4位 「宙ごはん」町田そのこ

作品紹介

2021年本屋大賞『52ヘルツのクジラたち』の町田そのこさんの作品。物ごころがついた時から育ての「ママ」と一緒に暮らしてきた宙(そら)。小学校入学をきっかけに産みの「お母さん」、花野(かの)と暮らすことになるが、彼女は理想の母親像からは程遠く……。愛し方がわからない花野。甘え方がわからない宙。“家族”を手探りする二人には記憶に残る食卓があった。どこまでも温かく、やさしい希望の物語です。

感想

タイトルのほんわか感とは違って、途中結構辛くもなり、たくさん泣けるお話しです。いい人だと思ったらそうでもなく、悪い人だと思ったらそうでもない。読み進めるうちに、登場人物の印象がずいぶんと変化します。これも作者の高い技術による仕業なんでしょうね。とても読み応えのある作品です。

 

 

第5位 「愛なき世界」三浦しをん

作品紹介

洋食屋の青年・藤丸が慕うのは〝植物〟の研究に一途な大学院生・本村さん。殺し屋のごとき風貌の教授やイモを愛する老教授、サボテンを栽培しまくる「緑の手」をもつ同級生など、個性の強い大学の仲間たちがひしめき合い、植物と人間たちが豊かに交差するーー。本村さんに恋をして、どんどん植物の世界に分け入る藤丸青年。小さな生きものたちの姿に、人間の心の不思議もあふれ出し……風変りな理系の人々とお料理男子が紡ぐ、美味しくて温かな青春小説です。

感想

あっと驚くなにかがあるわけではないけど、とっても素敵なお話しでした。植物研究の緻密な描写も素晴らしいし、登場人物が皆個性的でいい人で愛らしい。ベタですが、「植物には愛がない」けど、「愛にあふれた小説」でした。

 

 

第6位 「川のほとりに立つ者は」寺地はるな

作品紹介

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。
「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語です。

感想

「川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。」身近な人のことを理解しているようでも本質までは見えていない、人を偏見で見てはいけない、と教えてくれているような気がします。徐々に謎が解けていくミステリー要素もあり、読み応えある作品です。

 

 

第7位 「君のクイズ」小川哲

作品紹介

生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦。賞金は1000万円。同点で迎えた最終問題。本庄絆は、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し優勝を果たす。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島玲央はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメントです。

感想

クイズ番組の作られ方や、クイズプレーヤーがどう回答に辿り着くのかがよくわかります。ミステリー小説でありながら「クイズ」についての教養が深まる本。クイズ1問ごとに主人公の人生も解き明かされていく構成がお見事です。映画「スラムドッグ・ミリオネア」を彷彿とさせます。

 

 

第8位 「真相をお話しします」結城真一郎

作品紹介

5篇のミステリー短編集。子供が4人しかいない島で、iPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした子供たち。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって…というお話しの「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞した作品です。

感想

マッチングアプリ・精子提供・リモート飲み会・ユーチューバーなど、今時のテーマをうまくミステリーに仕上げて読みやすい作品です。

 

 

第9位 「方舟」夕木春央

作品紹介

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことに。翌日の明け方地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。
タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに殺人犯を見つけなければならない。
「週刊文春ミステリーベスト10」&「MRC大賞2022」ダブル受賞作品です。

感想

どんでん返しはお見事です。声出ちゃうぐらい凄い結末。ただ気になった点が2つ。緊迫した状況の割に登場人物が淡々としているのと、「助かるためには犯人が犠牲になるべき」という取り決めを、人殺しするような人が守るかな?という点。

 

 

第10位 「三千円の使いかた」原田ひ香

作品紹介

就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?
知識が深まる「節約」家族小説です。

感想

小説の中にお金の貯め方や増やし方といった知識がちりばめられており、楽しみながらお金について学べる本です。ただ、個人的には苦手な文章構成です。文章の冒頭に誰かの発言があって、時間軸が戻って物語が始まる。冒頭の発言は物語の途中の時間軸でした。といった構成。そのテクニックを何度も使っているのですが、私には少しわかりにくく、いつもそこでつまずきました。

 

 

ABOUT ME
オッシー
ゴルフ・映画・株主優待・家庭菜園が趣味の関西人。自分が「いいな」と思った物を人にオススメするのが好き。本当にオススメしたい物しかブログに書きません。大阪北摂から「オシ」を発信します。