2023年5月19日公開の映画『最後まで行く』を観た感想です。
どんな映画?
危篤の母のもとへ向かう道中で男をはねてしまった刑事が、証拠隠滅を試みるも監察官に極限まで追い詰められていく96時間を描いたクライムサスペンス。
2014年に韓国で公開され、5週連続No.1観客動員345万人の大ヒットを記録。中国、フランス、フィリピンでリメイクされ世界中のファンを熱狂させた作品が、ついに日本でもリメイク。
監督は『新聞記者』、『余命10年』の藤井道人。主演の刑事・工藤役は岡田准一。工藤と対決する監察官矢崎役は綾野剛。
あらすじ
年の瀬も押し迫る12月29日の夜。刑事・工藤(岡田准一)は危篤の母のもとに向かうため、雨の中で車を飛ばす。工藤のスマホには署長から着信が。「ウチの署で裏金が作られているっていう告発が週刊誌に入ったが、おしかしてお前関わってるんじゃないか?」という淡島の詮索に「ヤバい」と血の気が引く工藤は、何とかその場をやり過ごしたものの、心の中は焦りで一杯になっていた。そんな中、美沙子(広末涼子)から着信が入り、母が亡くなった事を知らされた工藤は言葉を失うが、その時、彼の乗る車は目の前に現れた一人の男を撥ね飛ばしてしまう。すでに彼が絶命していることが判ると、狼狽しながらもその遺体を車のトランクに入れ立ち去った。
途中、検問に引っかかるも何とかその場をごまかし署に辿り着いた工藤は、署長に裏金との関与を必死に否定し、その場を後にする。そして母の葬儀場に辿り着いた工藤は、こともあろうに車で撥ねた男の遺体を母の棺桶に入れ、母と共に斎場で焼こうと試みる。
その時、工藤のスマホに一通のメッセージが入る。「お前は人を殺した。知っているぞ」というその内容に、腰を抜かすほど驚く工藤。その後メッセージは「死体をどこへやった?言え」と続く。まさかあの晩、誰かに見られていたのか…?
そのメッセージの送り主は、県警本部の監察官・矢崎(綾野剛)。彼もまた、ある男が行方不明となり、死んでいたことが判明して動揺していた。
そしてその男こそが、工藤が車で撥ねた人物だったのだ。さらにその裏には、矢崎が決して周囲に知られてはいけない秘密が隠されていた。
追われる工藤と、追う矢崎。果たして、前代未聞の96時間の逃走劇の結末は?そして、男の遺体に秘められた、衝撃の事実とは!?
(HPより抜粋)
感想
結論から言うと、めっちゃオススメです。
人をはねた刑事(岡田准一)とそれを追う監察官(綾野剛)のスリル満点のサスペンス。
2時間ずーっとハラハラドキドキ。ちょいちょい笑いもあり。
「あーっ!ヤバいっ!ダメーっっ!!敵にみつかっちゃうー!!」っていう、スリリングな映画の1シーンってあるじゃないですか。
あれが前半ずっと続く感じ。
たまにクスッと笑えるシーンも、ちょうどいい面白さ。くどくない。
中盤、綾野剛のお話になると物語が大きく転換します。
アクションのスケールも、今までの邦画史上最高レベルです。
ネタバレになるからあまり書けませんが、カーアクションや爆破、ガンアクションなどなど、邦画とは思えない素晴らしいクオリティーです。
そしてそして、あんな大量の札束を準備するだけでもすごいのに、それがぐっちゃぐちゃになるほどその場で大乱闘。笑
さすが藤井道人監督です。妥協しないスケール感。
さて、画的なところで私が特に好きだったシーンを3つ。
1つ目は、オープニングシーン。
豪雨の中、車を運転する車窓越しの岡田准一を、1カット長回しでバックショットから正面を渡ってサイドめまで、じわ〜っとワーク。
いったいどうやって撮ったの?っていうカット。
リアルに車道を走らせて雨降らしで撮るなんて絶対無理。でも合成とは思えないくらいリアルにできてる。つかみのカットとしては圧巻です。
2つ目は、カメラを90度傾けたカットが2シーンほど。正しく観ようと思うと観客は90度頭を傾けないといけません。笑
常識では考えられない大胆なカット。これがとても効果的に使われています。
そして3つ目。ラストの空撮が最高にカッコいい。橋の上を走る車のバックショット気味の空撮、その進行方向の先のど真ん中に初日の出。ロケーションと季節と天気とタイミングがバッチリ合わないと撮れないミラクルカット。(これも合成なの!?)
そんなこんなで、『最後まで行く』オススメです。
オススメ度
8点/10点満点
初めての映画レビューなので、9点10点をつけづらくちょっと辛め?な採点かもです。
皆さんの感想もお待ちしています(^ ^)